佐野駅のすぐ近くの既存建物（物販店舗、音楽教室）をコワーキングスペース・シェアオフィスに改修したプロジェクトである。

築30年以上経過している建物は、よく見られる外壁がALC（軽量気泡コンクリート）の鉄骨造でしっかりした作りになっており、今回のプロジェクトでは基本的に外観は手を加えずに内部の改修のみとした。
1階は元々物販店舗であり間仕切り壁がないオープンな作りであったので、この広さを活用してコワーキングスペースとした。
床と壁を貼り替え天井は黒く染色。ワーキングテーブルは集成材と構造用合板を用いて作製。ペンダントライトなどの照明器具もインダストリアルなものを選択してハードなイメージのインテリアにした。

一方、1階に比べて2階は元々音楽教室が複数あり細かく区画されていた。
一般的に区画する間仕切り壁はLGS（軽量間仕切り壁）と言うもので構築されているので解体はそこまで難しくない。しかし、この建物は音楽教室という用途上、防音性を重視して外壁材同じALCで構築されているのが判明した。
このALCを解体すると多額の費用がかかり全体の事業費を圧迫してしまうので、ALCでできた間仕切り壁を極力使う（解体しない）ように複数人が使えるシェアオフィスを配置した。また、個人用のシェアオフィスについては間仕切り壁、引き戸を構造用合板で仕上げた。

地方都市の駅前はどこも郊外の大型ショッピングモールに人が流れてしまい閑散としている。この場所が駅前にできたことにより人の流れが生まれ再び駅前に人が集まり賑やかになることを期待する。