犬伏新町の小さな家 2022
所在地 :栃木県佐野市犬伏新町
用途 :一戸建ての住宅
構造 :木造在来工法
規模 :地上2階建て
敷地面積:120.23㎡(36.37坪)
建築面積:42.62㎡(12.86坪)
延べ面積:75.35㎡(22.75坪)
性能 :外皮平均熱貫流率 Ua=0.48W/㎡K
隙間相当面積 C=0.4㎠/㎡
竣工 :2022年12月
施工 :株式会社team-K風間
(栃木県佐野市)
写真 :溝口泰史
敷地は地方都市の住宅地としてはかなり狭く、北側の道路に接する部分が斜辺になる台形をしている。加えてその北側道路は法的に後退が必要で、ただでさえ狭い敷地がさらに狭くなってしまう。さらに南側には2階建ての住宅が迫っている。このようなあまり条件が良くない敷地に家族3人のための住宅をデザインした。
限られた予算を考えると、建物形状を真四角の総2階にしなければ成立しないのは明白であった。しかし、敷地が台形の変形地ということで、通常のように南側に庭を取り、その庭に正対しようとすると台形の斜辺である北側に建物を寄せることができず、南側にある2階建ての住宅の影響で室内が暗くなってしまうことは容易に想像できた。
そこで、この真四角の建物を台形の斜辺である北側道路に沿う形で45°回転させた。そうすることで、南東と南西の開けた空間に庭を取ることができ明るさを確保することができた。
内部は1階にリビング続きの3帖分の小上がり、室内干しができる大きな洗面室、2階には家族3人それぞれの個室、大容量の収納スペースなど小さい床面積ながら家事動線を考慮しながら配置した。加えて光や風、家族の雰囲気を家中に行き渡せる3帖分の吹抜けを作り上下階を繋いだ。
延べ約22坪の小住宅であるが、改めて「家の大きさ」を考えるきっかけになる仕事であった。