敷地周辺は住宅と畑をが混在しているが、畑は徐々に住宅地へと姿を変えている。この敷地も畑を造成して作られた区画のひとつである。
建物は諸条件により片流れ屋根のワンボリュームとしたが、街に面する北側道路に対しては圧迫感を与えないよう極力建物の高さを抑えることに務めた。
特徴的な要望のひとつとして、住まい手が家族全員の髪をカットするので専用のスペースが欲しいと言うことであった。当初は洗面所を広く取りカットスペースとする案も考えたが、毎回掃除に気を使うことになる。熟考の結果、玄関土間を通常より大きい5帖分を確保し、その壁面に鏡を造り付けてカットスペースとした。また、広い玄関土間はまだ小さい子供の遊び場やベビーカー置き場としても利用されている。
内部は大きな吹き抜けを介した一室空間であり、家のどこにいても家族の雰囲気が伝わる設計とした。また、2階の子供が過ごすスペースは間仕切り壁はまだなく、子供の成長と共に手を加えられるような設えとしている。